店舗の改装や移転で業務用冷蔵庫を長期間使わないとき、「食品を出して電源を切れば、それで十分だろうか」と迷うことがあります。数か月後に同じ機器を使う予定なら、停止前の清掃だけでなく、置き場所と再開時の確認まで決めておきたいところです。
最初に確認するのは、冷蔵庫のメーカーと型番、使用を止める期間、保管場所です。食品を取り出し、取扱説明書に沿って停止・手入れを行い、再開前には庫内を清掃して冷えることを確かめます。スイッチの位置や電源の切り方は機種で異なるため、この記事の説明だけを頼りに操作せず、お使いの機器の説明書を確認してください。
業務用冷蔵庫を長期間使わないとき、最初に決めること
作業を始める前に、「いつまで使わないか」「その間どこに置くか」「再開後も同じ機器を使うか」を整理します。工事中も現在の店舗に置けるのか、搬出が必要なのかで、準備する内容と相談先が変わるからです。再開先がまだ決まっていない場合も、搬出するかどうかは先に決めておくと、工事日程との調整がしやすくなります。
次に、本体の銘板などでメーカーと型番を確認し、取扱説明書を手元に用意します。「業務用冷蔵庫」という名前が同じでも、縦型とテーブル型では停止操作が違います。ホシザキが公開する対象機種の案内でも、縦型はフロントパネル内の電源スイッチ、テーブル型はウインドウパネル内のスイッチを扱うなど、手順を分けています。他社製品や別の型式にそのまま当てはめることはできません。
説明書が見当たらないときは、分かる範囲で銘板の型番を控え、メーカーの公開資料や問い合わせ窓口で該当機種の手順を確かめます。見た目が似ている別の冷蔵庫の説明書を代用すると、操作するスイッチや清掃できる部品を取り違えるおそれがあります。
食品をどこへ移すかも、停止前に決める必要があります。庫内に食品を残したまま電源を切ることはできません。営業を続けながら一部の機器だけ止めるなら、移し先の冷蔵設備に十分な空きがあるかも確認してください。保管予定の機器が冷凍冷蔵庫の場合は、冷凍室の食品や霜の処理も見落とさないようにします。
停止前は食品を出し、機種に合う手順で電源と清掃を確認
庫内の食品と取り外せる備品を確認したら、取扱説明書の「運転を止めるとき」「お手入れ」などの項目を見ます。先にプラグを抜くのか、本体側のスイッチを操作するのかを自己判断で決めないでください。設備側の電源を扱う機器もあるため、スイッチや接続が分からない場合は、設置を担当した業者やメーカーに確認します。
庫内・棚・パッキンの汚れと水分を確認
食品を出した後も、棚や隅、扉のパッキンに汚れが残ることがあります。取り外せる部品と清掃方法を説明書で確認し、庫内や棚を手入れしてください。水拭きした箇所や、停止後に生じた水分をそのまま残さず、乾いた状態を確かめてから保管します。洗剤の種類や部品の取り外し方まで、別の機種の方法を流用しないことも大切です。
「長期間使わないから水抜きが必要」と聞いた場合は、何の水を指すのか確認しましょう。製氷機のように給水配管を使う機器と、冷蔵庫を同じ手順で扱うことはできません。排水まわりや霜取りの構造も機種によって異なります。冷蔵庫に対して一律の水抜き作業を指示せず、型番ごとの説明書を基準にしてください。
電源操作と搬出を別の作業として考える
店舗に据え置いて休止する場合と、工事のために取り外して運ぶ場合では、必要な準備が違います。冷蔵庫を運ぶ予定なら、本体を止めることに加えて、搬出経路、設置場所、工事の開始日を確認します。接続部や重い本体を無理に外したり動かしたりせず、作業範囲を担当業者とすり合わせてください。
改装で機器を店内に置けない場合は、取り外しから一時保管までを検討できます。置き場所と工事日程を整理する際には、当社の関連記事も参考にしてください。
改装中の厨房機器の置き場所に困ったら、一時預かりの考え方を見る
保管中は置き場所と再使用までの段取りを管理
店内で保管するなら、工事の粉じんや水がかかる位置に置くことにならないか、機器の周囲で作業する人の通路をふさがないかを確認します。清掃を済ませた機器でも、置き場所を決めずに工事現場の片隅へ移すと、再設置までの管理が曖昧になります。誰が保管場所を管理し、いつ再び設置するかを工事の予定と合わせて決めておきましょう。
自店で保管できるかは、単に本体が収まるかだけで判断しない方がよいでしょう。工事中に移動が必要にならないか、再開時に元の位置へ戻せるか、搬出先が別に必要かも確認します。移転先が未定なら、その間の保管期間と、返却先が決まった後の搬入について相談することになります。
保管を外部へ依頼する場合は、機器の型番と台数、現在の設置状況、希望する保管期間、搬出日と返却予定を伝えると、必要な作業を整理しやすくなります。機器の状態や搬出条件によって対応や費用は変わるため、保管場所の確保だけでなく、取り外しと再設置をどこまで任せるかも確認してください。
返却先が決まっているなら、置く場所の寸法、搬入経路、電源などの設置条件も事前に確認します。以前の店舗で使えていた機器でも、次の店舗へ同じように置けるとは限りません。設置条件の確認と、再開前の動作確認を誰が担当するかを分けて決めておくと、営業再開の直前に作業が残ることを避けられます。
再開前は手入れをして、冷えることを確かめる
長期間止めた冷蔵庫へ、電源を入れた直後に食品を戻すのは避けてください。まず、庫内・棚・パッキンなどを取扱説明書に沿って手入れし、汚れや異常がないかを見ます。その後、お使いの機種の運転手順に従って起動し、実際に冷えることを確認してから食品の保管を再開します。
ホシザキの運転再開案内でも、縦型とテーブル型それぞれについて手入れと電源操作の後、「冷えること」の確認を求めています。ここでも型式によって操作が異なります。運転の開始時刻や食品を戻せるまでの時間を一律に決めず、機器の説明書と庫内の状態を確認してください。
異音や異臭、表示の異常、十分に冷えない状態があれば、食品を入れて営業を再開する前にメーカーまたは保守を担当する業者へ相談します。保管前に動いていたとしても、再開後の動作まで保証されるわけではありません。再開日ぎりぎりに初めて確認するのではなく、営業準備の予定に点検の時間を組み込んでおくと判断しやすくなります。
自店で保管できない場合は搬出から再設置までを検討
店舗の内装工事で置き場所がなくなる、移転先が決まるまで機器を使わない。そのような場合は、冷蔵庫をどこへ預けるかだけでなく、現在の店舗からの搬出と、次の店舗への再設置まで含めて考える必要があります。自店保管と外部への預かりでは、使える場所、管理の手間、費用が異なります。保管期間と工事の予定を基に選んでください。
当社では、移転やリニューアル期間中の厨房機器預かりを行っています。公開しているサービスには、機器の診断・洗浄・定期的なメンテナンスと、現店舗からの搬出、保管、新店舗への再設置が含まれます。お使いの冷蔵庫の状態や搬出条件、預かる期間を伝えたうえで、具体的な作業範囲を確認してください。
停止前に型番と取扱説明書を確かめ、保管場所を決め、再開前には冷却を確認する。この三つを押さえると、今何を自店で行い、どこから相談するかが見えてきます。保管と搬出入をまとめて検討したい場合は、サービス内容をご覧ください。

