【まだ使えるは危険信号】厨房機器の耐用年数と、寿命を縮める「やってはいけない」使い方

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「まだ動いているから大丈夫だろう」

「壊れたらその時に考えればいい」

厨房機器に対して、このような認識をお持ちのオーナー様はいらっしゃいませんか?

厳しいことを言うようですが、その油断が、ある日突然の「営業停止」という最悪の事態を招くことになります。


ランチタイムのピーク時に冷蔵庫が止まる、予約が入っているのにオーブンが温まらない。

そんな悪夢のようなトラブルを避けるために必要なのが、「耐用年数」に対する正しい理解と、日々の適切な管理です。


この記事では、税務上の数字だけでは見えてこない「現場レベルでの寿命」と、機器を長持ちさせるためにプロが実践しているノウハウを解説します。

知っているだけで、修繕費という無駄な出費を大幅に抑えることができるはずです。


【目次】

- ■【導入】「法定耐用年数」と「実際の寿命」は別物である

- ■【一覧公開】主要厨房機器の耐用年数目安と寿命のサイン

- ■【NG行為】寿命を縮める!現場でやりがちな3つの悪習慣

- ■【判断基準】修理か買い替えか?プロが教えるボーダーライン

- ■【重要】寿命を延ばす鍵は「保管」と「メンテナンス」にあり

- ■【解決策】株式会社シロマルの「メンテナンス付き預かり」で資産を守る




■【導入】「法定耐用年数」と「実際の寿命」は別物である

まず、言葉の定義をはっきりさせておきましょう。

一般的に「耐用年数」と検索して出てくる数字は、国税庁が定めた「法定耐用年数」であることがほとんどです。


例えば、飲食店の厨房機器の多くは「8年」や「10年」と定められています。

しかし、これはあくまで「減価償却(経費計上)ができる期間」であって、「その期間は故障しない」という保証期間ではありません。


現場のプロとしての感覚をお伝えすると、厨房機器の「実質的な寿命」は、使用環境とメンテナンス頻度によって、法定耐用年数よりも短くもなれば、長くもなります。

高温多湿で油煙が舞う過酷な環境であれば、5年でダメになることも珍しくありません。

逆に、適切に手入れされていれば15年以上現役で稼働することもあります。


一番のリスクは、法定耐用年数を「寿命の目安」だと盲信してしまうことです。

「まだ8年経っていないから大丈夫」と高を括っていると、予兆を見逃し、突然の故障に見舞われます。

その結果、緊急対応のための高額な修理費、食材の廃棄ロス、そして何より「お客様に料理を提供できない」という信用失墜を招くのです。


「壊れるまで使う」のではなく、「壊れる前に手を打つ」。これが厨房機器管理の鉄則です。




■【一覧公開】主要厨房機器の耐用年数目安と寿命のサイン

では、具体的にどのくらいの期間を目安にすればよいのでしょうか。

主要な厨房機器について、現場での経験則に基づいた「実質寿命」の目安と、買い替えを検討すべき「危険サイン」をご紹介します。



・業務用冷蔵庫・冷凍庫(目安:6年〜10年)

厨房の心臓部とも言える冷蔵庫は、24時間365日稼働し続けるため、最も負荷がかかる機器の一つです。

【危険サイン】

設定温度まで冷えるのに時間がかかるようになった。

「ブーン」というモーター音が以前より大きくなった、または異音がする

ドアパッキンが劣化して隙間ができている(冷気漏れの原因)。



・製氷機(目安:6年〜8年)

水と電気を使い、可動部品も多いため、トラブルが起きやすい機器です。

【危険サイン】

氷の形がいびつになったり、透明度が落ちたりしている。

氷ができるまでの時間が長くなった。

水漏れが発生している(内部パーツの腐食の可能性大)。



・ガス機器・オーブン(目安:8年〜10年)

構造が比較的シンプルで頑丈ですが、バーナー部分の劣化は避けられません。

【危険サイン】

火がつきにくい、または種火がすぐに消える。

炎の色が青ではなく赤やオレンジになっている(不完全燃焼の証拠)。

ススが多く出るようになった。



・食器洗浄機(目安:6年〜8年)

洗剤や高温水を使用するため、パッキンやポンプへの負担が大きいです。

【危険サイン】

汚れ落ちが悪くなった。

排水がスムーズにいかない。

動作中に異常な振動や音がする。

これらのサインが出始めたら、完全に停止する前の「イエローカード」です。

早急に点検を依頼するか、入れ替えの検討を始めるべきタイミングと言えます。




■【NG行為】寿命を縮める!現場でやりがちな3つの悪習慣

「うちはまだ新しいから大丈夫」と思っている方も要注意です。

どんなに高性能な新品でも、使い方が間違っていれば寿命は半分以下になります。

修理現場でよく目にする、機器の寿命を縮める「やってはいけない」3つの行為を指摘します。



・1. フィルター掃除のサボり

これが最も多い故障原因です。

冷蔵庫や製氷機のコンデンサーフィルターにホコリや油汚れが詰まると、熱を放出できなくなります。

すると、コンプレッサーが常にフル稼働状態となり、過負荷で焼き付いてしまうのです。

人間で言えば、マスクをして全力疾走させられているようなものです。

最低でも月に1回、油煙の多い店舗なら週に1回はフィルター清掃を行ってください。これだけで寿命は数年延びます。



・2. 庫内の「詰め込みすぎ」

冷蔵庫の中に食材を隙間なく詰め込んでいませんか?

冷気の吹き出し口を塞いでしまうと、庫内全体を冷やすために機械が無理をして稼働し続けます。

また、冷えムラが起きることで食材の傷みも早くなります。

庫内容量の7割程度を目安にし、冷気の通り道を確保することが、機器にとっても食材にとっても重要です。



・3. 水洗い厳禁箇所への放水

厨房の床掃除の際、勢いよく水を撒いてデッキブラシで擦る光景をよく見ます。

しかし、厨房機器の足元や下部には、重要な電装部品やモーターが配置されていることが多いのです。

ここに水がかかると、漏電やショートの原因になるだけでなく、錆による腐食を一気に進行させます。

特にデジタル制御パネル付近や、機器の裏側の配線周りは、絶対に水をかけないようスタッフに徹底させてください。




■【判断基準】修理か買い替えか?プロが教えるボーダーライン

機器の調子が悪くなったとき、最も悩ましいのが「高い修理代を払って直すか、思い切って新品に買い替えるか」という判断です。

メーカーや修理業者に聞けば「直せますよ」と言われるかもしれませんが、それが経営的に正解とは限りません。

私がお客様にアドバイスする際、基準にしている「3つのボーダーライン」をお伝えします。



・1. 「製造から9年」の壁

まず確認すべきは、その機器が製造されてから何年経っているかです。

多くのメーカーでは、補修用性能部品の保有期間を「製造打ち切り後9年程度」と定めています。

つまり、10年以上前の機器は、たとえ直したくても部品がなくて直せない、あるいは部品調達に時間がかかりすぎて営業に支障が出るリスクが極めて高いのです。

製造から9年を超えている場合は、修理にお金をかけるよりも、潔く買い替えを検討することをおすすめします。



・2. 修理見積もりが「新品価格の50%」を超えるか

修理の見積もり額が出たら、同等スペックの新品(または状態の良い中古品)の価格と比較してください。

もし修理代が新品価格の50%を超えるようであれば、買い替えの方が賢明です。

なぜなら、一箇所を修理しても、他の部品も同様に劣化しているため、遠くない未来に別の故障が発生する可能性が高いからです。

「修理貧乏」にならないための撤退ラインとして、50%という数字を意識してください。



・3. ランニングコストの差額

古い機器は、最新の機器に比べて省エネ性能が劣ります。

特に冷蔵庫やエアコンは技術の進歩が著しく、10年前のモデルと最新モデルでは、電気代に年間数万円の差が出ることも珍しくありません。

「買い替え費用」というイニシャルコストだけでなく、毎月の「電気代」というランニングコストも含めて計算すると、実は買い替えた方が数年で元が取れるケースも多いのです。




■【重要】寿命を延ばす鍵は「保管」と「メンテナンス」にあり

ここまで「使用中の寿命」についてお話ししてきましたが、実はもう一つ、機器の寿命を劇的に縮めてしまうタイミングがあります。

それは、店舗の改装や移転に伴う「一時保管」の期間です。

「使っていないのだから劣化しないだろう」というのは大きな間違いです。

厨房機器は、通電して稼働している状態が最も安定しており、長期間停止させると一気にガタがきます。


特に、内部に水分や汚れが残ったまま倉庫に放置すると、配管の腐食、パッキンの硬化、基盤のカビなどが進行し、いざ再稼働させようとしたときに「動かない」というトラブルが多発します。

つまり、厨房機器の寿命を全うさせるためには、日々の清掃はもちろんのこと、使わない期間の「適切な保管」と「メンテナンス」が不可欠なのです。


そこで、私たち株式会社シロマルが提案しているのが、単なる場所貸しではない、プロによる管理サービスです。

▼株式会社シロマルの事業内容はこちら




■【解決策】株式会社シロマルなら「買取」も「メンテナンス」も一括対応

私たち株式会社シロマルは、千葉県白井市を拠点に、厨房機器のトータルサポートを行っています。

耐用年数や機器の入れ替えにお悩みのオーナー様に、シロマルだからこそできる解決策をご提案します。



・「メンテナンス付き預かり」で再稼働を確実に

改装や移転で一時的に機器を保管する場合、当社ではお預かりした機器を徹底的に洗浄・整備します。

プロの技術で汚れを落とし、動作チェックを行った上で保管するため、保管中の劣化を防ぎ、新店舗でも安心して使い続けることができます。

「寿命を縮める保管」ではなく、「寿命を延ばすためのメンテナンス期間」として活用していただけるのが最大の特徴です。



・買い替え時の「買取・販売」もワンストップで

もし、お手持ちの機器が耐用年数を迎えており、買い替えが必要な場合でもご安心ください。

シロマルでは厨房機器の買取・販売も行っています。

古い機器の撤去・処分と、新しい機器(または良質な中古機器)の搬入・設置を一度に依頼できるため、複数の業者とやり取りする手間が省けます。

もちろん、まだ使える機器であれば高価買取も可能ですので、入れ替えコストを大幅に圧縮できます。

「この冷蔵庫、あと何年使えるかな?」

「移転の間、機器をどこに預けようか?」

「古い機器を処分して、安く入れ替えたい」


そんなお悩みがあれば、まずはシロマルにご相談ください。

機器の状態をプロの目で診断し、修理、保管、買い替えの中から、お客様にとって最もメリットのある選択肢をご提案いたします。

▼厨房機器の運搬・保管・買取のご相談はこちら